労組書記長(←元)社労士 ビール片手にうろうろと~

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2026年度(令和8年度)に予定される法改正【社会保険関係】

◇令和8年4月施行

●在職老齢年金の支給停止基準額の引き上げ

 在職老齢年金は、賃金(賞与込み月収)と年金 の合計額が支給停止調整額を上回る場合に、年金額を減額する。

令和8年4月以降、この支給停止の基準額が現行の51万円(令和7年度額) から62万円(令和6年度水準)に引き上げられる。

人材確保や技能承継などの観点から、年金の減額を意識せずに働ける環境を広げることで高齢者の活躍を後押しする。

支給停止調整額は、厚生年金保険法第46 条第3項の規定により、名目賃金の変動に応じて改定され、令和8年度の支給停止調整額は65万円となる。

 

●離婚時の年金分割の請求期限の伸長

 現行の年金制度は、離婚する際、婚姻期間に係る厚生年金の計算のもととなる保険料納付記録について夫婦間で分割すること(離婚時の年金分割)ができる。

この請求期限については、民法における離婚時の財産分与請求権の除斥期間が2年とされていることを踏まえ、これまで2年と設定されていた。

だが、民法における離婚時の財産分与請求権の除斥期間が2年から5年に伸長されることから、それに伴い、離婚時の年金分割の請求期限についても5年に伸長する。

令和7年6月20日に公布された年金制度改正法では、施行期日を公布日から起算して1年を超 えない範囲内において政令で定める日としていたが、施行期日を令和8年4月1日と定める政令が11月6日に公布された。

 

●健康保険の被扶養者認定の収入要件見直し

 健康保険の被扶養者認定については、算定対象となる収入の範囲を見直す。

これまでは認定対象者の「過去の収入、現時点の収入または将来の収入の見込みなどから、今後1年間の収入の見込みにより判定する」とされ、時間外労働に係る割増賃金等を含むあらゆる収入が対象となっていたが、令和8年4月以降は、労働契約に明確な規定がなく、契約締結段階では見込むことが難しい収入 (時間外労働に係る賃金など)については、被扶養者の認定における年間収入に含めない。

被扶養者認定の予見可能性を高めることで、認定対象者の就業調整を回避するのがねらい。

当初は想定されなかった時間外労働の賃金などにより、結果的に年間収入が基準額以上になった場合であっても、その収入が社会通念上妥当な範囲に留まる場合には、これを理由として、被扶養者としての取扱いが変更されないことを明確化する。

⇒事務連絡「労働契約内容による年間収入が基準額未満である場合の被扶養者の認定 における年間収入の取扱いに係るQ&A(第2版)について

 

●子ども•子育て支援納付金の徴収開始

 雇用保険の出生後休業支援給付金や育児時短就業給付金、自営業者やフリーランス(国民年金第 1号被保険者)の育児期間中の保険料免除などの財源とされる「子ども・子育て支援納付金」は、令和8年度から医療保険料とともに徴収が開始される。

健康保険の場合は、各被保険者の標準報酬月額及び標準賞与額に、それぞれ一般保険料率と子ども・子育て支援金率とを合算した率を乗じて得た額を保険者が徴収する。

協会けんぽの子ども・子育て支援金率は、次のとおり。

【一般被保険者】  令和8年4月分(5月納付分)から 0.23%

【任意継続被保険者、日雇特例被保険者】  令和8年4月分(4月納付分)から 0.23%

◇令和8年10月施行

●短時間労働者の被用者保険加入支援措置

 被用者保険の適用拡大などに伴い、加入対象となる短時間労働者の就業調整対策として、特例的・時限的に保険料負担を軽減する措置が実施される。

社会保険料は労使折半が原則だが、この措置の利用を希望する事業主は、事業主の負担割合を増やし、被保険者の負担を軽減できる。

事業主が追加負担した分については、その全額を制度全体で支援するしくみ。

対象となるのは、従業員数50人以下の企業などで雇用される短時間労働者であって、企業規模要件の見直しなどにより新たに社会保険の加入対象となる標準報酬月額が12.6万円以下の者。

被保険者の保険料負担の軽減割合は、法令で定められる。

事業主単位で最大3年間利用できるが、3年目の軽減割合は半減される。

令和8年10月の施行だが、企業規模要件が36人以上に縮小される令和9年10月以降、利用が増加すると見込まれる。

 

●第1号被保険者の育児期間の国年保険料免除

 育児期間における国民年金保険料の免除は、1歳になるまでの子を養育する第1号被保険者の父母すべてを対象とする。

フリーランス、自営業、無業者など、第1号被保険者の多様な実態を踏まえ、その期間における就業の有無(休業要件)や所得の状況(所得要件)は問わない。

対象となる免除期間は、原則として子を養育することになった日から子が1歳になるまでの最大12カ月間。

産前産後免除が適用される実母の場合は、産後免除期間に引き続く9カ月を育児期間免除の対象期間とする。

育児期間免除の対象期間における基礎年金額については満額を保障する。